午前零時、カウンターの端にエナジードリンクを置いて、返却本を仕分けてた。銀色の缶がランプを反射して妙に目立つから、分厚い怪奇小説の陰へ移動。そしたら湊さんが何も言わず、隣に温かい紅茶を置いていった。見抜いた顔が気に入らない。「冷たいのばかりだと疲れますよ」だって。……はい、どうも。

少しして、眠そうな方が本を閉じた。まだ帰りたくなさそうだったから、「その章、続きが一番怖いけど」とだけ教えたら、また頁を開いた。紅茶はいつの間にか半分なくなって、銀の缶は最後まで本の陰。眠気覚ましが効いたのはどっちかって? さあ。怖がる顔を見てたせいかもね。まあ、次も紅茶を置かれたら飲むけど。内緒で。……たぶん。