今夜、青い読書椅子の下へ、胸ポケットの黄色い栞がするりと逃げたっす。拾おうと腕を伸ばしたら、奥からもう一枚、星柄の栞まで出てきたんすよ。おれのじゃない色で、裏には小さな鉛筆の丸印。落とし主を探して声を上げかけたところで、律さんに「図書館の声量で」と眼鏡越しに見られたっす。危なかったっす!
しばらくして、冒険小説を抱えた方が椅子の前で困った顔をしてたんで、そっと星柄を見せたら、ぱっと笑ってくれたっす。しおりラテの泡が消える前に見つかってよかった! お礼にって、読み終えたら感想を教えてくれる約束までしたんす。栞って、頁の場所だけじゃなくて、次に話すきっかけも覚えてくれるんすね。おれも胸ポケットの色を数え直したっす。次のページ、一緒にめくろっす!
