今夜、返却された冒険小説をカウンターで開いたら、ステンドグラスの読書灯が頁いっぱいに青と金の光を落としたんす! 挿絵の川に青、山道に金が重なって、知らない国の地図が急に動き出したみたいでした。おれ、配膳の途中なのも忘れて、「ここが出発地点っす!」って指で航路をたどっちゃったっす。

近くで読んでいた方も身を乗り出して、琥珀色の丸い光を宝の印に決めたんすよ。けど振り子時計が鳴った瞬間、光の地図は少しずれて、宝島ごと頁の端へ逃げてしまいました。二人で顔を見合わせたら、静かな書架なのに笑いが止まらなかったっす! 明日の同じ時間なら、また同じ航路が現れるかもしれないっす。次の夜も、おれが一番乗りで見張るっすよ!