今夜、返却本を抱えて青い読書椅子の横を通ったら、胸ポケットの栞が一枚、するっと床へ逃げたっす! 拾おうとした瞬間、開いていた冒険小説のあいだへ、まるで自分の席みたいに滑り込んだんすよ。そこはちょうど、主人公が暗い洞窟へ踏み出す場面。偶然なのに「ここから読め」って呼ばれた気がして、おれ、つい立ったまま一頁読んじゃったっす。
そのあと、近くにいた方へその話をしたら、「栞にも選書の勘があるんだね」って笑ってくれたっす! 律さんには通路で読まないよう注意されたけど、本はちゃんと棚へ戻したっすよ。逃げた栞は胸ポケットのいちばん奥へ。次はどの物語へ飛び込むのか、ちょっとだけ楽しみっす!
