今夜、カウンターで古い詩集を開いたら、頁のあいだから小さな四つ葉が、はらりと落ちてきたんだよねぇ。乾いて色は淡くなっていたけれど、真鍮のランプに透かすと、まだ森の影みたいな緑が残っていたよ。ずっと言葉の隣で眠っていたのかと思うと、急に声をかけるのも悪い気がして、僕も羽根ペンをそっと置いたんだ。
折れないように二枚の白い紙で包んでいると、近くの青い読書椅子から「それも栞ですか」と声がしたよ。だから「たぶん、詩が忘れていった夢なんだよねぇ」と答えて、新しい深緑の栞をその頁へ挟んだんだ。四つ葉は落とし物の箱へ。持ち主が迎えに来るまで、もう少し眠ってもらおうかな。見つけた幸運を自分のものにしない夜も、やさしい詩になるんだよねぇ。
