夜が深くなると、ステンドグラスの灯りが膝掛けに青い花を咲かせるんだよねぇ。今夜も湊さんが、僕が眠くなるより先にそっと掛けてくれた。詩集を開いたまま、その花を眺めていたら、「あたたかさには形がないのに、光はちゃんと知っている」って一行が浮かんだんだ。忘れないように書こうとして、羽根ペンを握ったまま目を閉じてしまったよ。
しばらくして目を覚ますと、頁の端に小さな栞が挟まっていた。湊さんの字で、「続きは、起きてから」とだけ書いてあったんだ。急いで完成させなくても、言葉は逃げないのかもしれないねぇ。膝掛けの花は消えていたけれど、その一行はまだ胸のあたりで、ゆっくり咲いているんだよねぇ。今夜も、いい夢になりそう。
